基本情報技術者試験の合格率は?わかりやすくほかの資格と比較してみた

基本情報技術者試験の合格率は?わかりやすくほかの資格と比較してみた

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近年ではIT技術の進歩やDXの推進により、ITスキルを保有している人材の需要が高まっています。ITに関連した職種やITエンジニアを目指すために、基本情報技術者試験の資格に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

当記事では、基本情報技術者試験の難易度を他の資格と比較してわかりやすく解説します。また、基本情報技術者試験に関するよくある質問にも回答しています。基本情報技術者試験を受験しようと考えている方や、基本情報技術者試験の難易度について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

1. 「基本情報技術者試験」とはどのような資格?

基本情報技術者試験(FE)とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の主催するITに関する体系的な知識やスキルを保有していることを証明するための資格試験を指します。

基本情報技術者試験は「CBT方式」で随時実施されています。科目A試験(旧午前試験)と科目B試験(旧午後試験)の両方で60%以上の得点率を取得すれば、合格することが可能です。

基本情報技術者試験を取得すれば、就職・転職の際にITスキルをアピールして有利に就職・転職活動を進めることができます。また、基本情報技術者試験が資格手当や昇進の条件になることもあるので、取得していて損にはたらくことはないでしょう。

2. 「基本情報技術者試験」の難易度はどれぐらいなのでしょうか?

ここでは、基本情報技術者試験の難易度について他の資格と比較しながら詳しく紹介します。

まずはIT系の資格の中で難易度を比較してみましょう。なお、難易度はIPAの公式サイトを基にしています。また、勉強時間は未経験の方を想定しています。

資格受験日難易度合格基準合格率受験日
ITパスポート試験随時レベル160%以上の得点率約50%約60時間〜70時間
情報セキュリティマネジメント試験随時レベル2科目Aと科目Bともに60%以上の得点率約50%~60%約200時間
基本情報技術試験随時レベル2科目Aと科目Bともに60%以上の得点率約25%約200時間
応用情報技術者試験春期・秋期(年2回)レベル3午前と午後ともに60%以上の得点率約20%約500時間
ネットワークスペシャリスト試験春期(年1回)レベル4「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」それぞれ60%以上の得点率約15%半年~1年程度

上表より、基本情報技術者試験は、ITパスポート試験より難しく、応用情報技術者試験より簡単であることがわかります。なお、過去問を確認すると、ITパスポート試験や応用情報技術者試験の内容が基本情報技術者試験で出題されることもあります。

以前までは基本情報技術者試験も春期・秋期(年2回)の実施でしたが、改正により現在は随時受験することが可能です。そのため、不合格だったとしてもすぐに再挑戦できるという観点では、難易度は易しいといえるでしょう。

基本情報技術者試験の合格率は約25%であるため、一度の試験で4人に1人しか合格していない計算になります。合格率から見ると難易度は高いと感じるかもしれません。しかし、大学生が力試しに受験している場合や、新卒社員が会社に強制的に受験させられている場合もあります。また、CBT方式に変更してから、合格率は40%を超える実施回もあり、難易度は下がっている可能性も考えられます。そのため、きちんと対策を行えば、独学でも合格することは可能です。

基本情報技術者試験の平均勉強時間は200時間程度です。これは1日2~3時間勉強すると、3カ月で合格できる計算になります。ITパスポート試験の資格を持っている方や、過去にプログラミングの勉強をしたことがある方は、勉強時間を短縮できるかもしれません。一方、ITに全く触れたことない方は、勉強時間が200時間を超える可能性もあります。

これまでIT業界とは別の職種に就いており、IT系の資格にチャレンジしたことがない方もいるかもしれません。ここからは、基本情報技術者試験とIT系以外の人気資格と比較して紹介します。

資格受験日合格率勉強時間
基本情報技術者試験随時約25%約200時間
日商簿記3級:年3回
2級:年3回
1級:年2回
※3級と2級はネット試験であれば随時実施されている
3級:約50%
2級:約20%
1級:約10%
3級:約100時間
2級:約250時間~350時間
1級:約500時間~1,000時間
FP検定3級:年3回
2級:年3回
1級:年1回
3級:約70%~80%
2級:約30%~40%
1級:学科試験で約10%、実技試験で約90%
3級:約80時間~150時間
2級:約150時間〜300時間
1級:約500時間〜600時間
宅建10月の第3日曜日(年1回)約15~20%約200時間~400時間
行政書士11月の第2日曜日(年1回)約10%約500時間〜1,000時間
登録販売者各都道府県で年1回約40%~50%約400時間

上表より、基本情報技術者試験は日商簿記3級やFP3級より難しく、日商簿記1級や行政書士より簡単であることがわかります。なお、受験日・合格率・勉強時間の観点から比較しているため、基本情報技術者試験のほうが難しく感じたり、簡単だと感じたりする場合もあるかもしれません。たとえば、基本情報技術者試験ではプログラミングの問題が出題されます。プログラミングに抵抗感のある方からしたら、合格率は低くとも宅地建物取引士や行政書士のほうが簡単に感じる可能性もあります。

日商簿記(ネット試験を除く)やFP、宅地建物取引士、行政書士、登録販売者は、年に数回~1回しか受験できません。そのため、不合格になったら来年にならないと受験できない場合もあり、プレッシャーを感じる可能性もあります。一方、基本情報技術者試験は随時実施されているので、受験日の観点から見ると難易度は易しいといえます。

FPの上位資格を取得するには、下位資格の取得や実務経験などの受験条件があります。表には記載していませんが、IT系の資格であるLPICやLinuCなども上位資格を取得するには、下位資格を取得していなければなりません。一方、基本情報技術者試験は特別な受験条件がない点から、難易度は易しいといえます。

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3. 「基本情報技術者試験」受験・合格の鍵は?

基本情報技術者試験は合格率が低い点から、きちんと対策を行ったうえで受験することが大切です。まずは科目Aの合格点を満たすのを目標に参考書や学習サイトを活用して勉強しましょう。

科目Aの合格基準を満たしたら、科目Bの対策に移ります。科目Bの対策の実施は、同時に科目Aの対策を行うことにもつながります。科目Bは試験時間が不足してしまうことも少なくありません。そのため、予想問題や過去問を解くときは、時間を測りながら取り組むことが大切です。

基本情報技術者試験は過去問と似た問題も多く出題されます。そのため、数年分の過去問を解くのがおすすめです。できれば10年分の過去問に取り組むのがベストです。過去問を解けば、試験の傾向も掴むこともできるようになります。当日問題を見たときに慌てないためにも、過去問対策は必ず行いましょう。

4. 基本情報技術者試験の難易度にまつわるFAQ

ここでは、基本情報技術者試験の難易度に関するよくある質問に対する回答を紹介します。

  • 基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験ではどちらが難易度が高いの?

基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は、IPAによると同様の難易度(レベル2)に設定されています。しかし、合格率から見ると、情報セキュリティマネジメント試験は約50%、基本情報技術者試験は約25%であり、基本情報技術者試験のほうが難易度は高いといえるかもしれません。 基本情報技術者試験では、情報処理技術全般に関する基本的な知識と技能が問われます。一方、情報セキュリティマネジメント試験では、情報セキュリティに関連するポリシー・手法・規制といった専門的な知識を要する問題が出題されます。このように難易度だけでなく、問題の傾向が異なることから、自分のニーズにあった資格を取得することが大切です。

  • 基本情報技術者試験を取得する前にITパスポート試験に挑戦すべき?

基本情報技術者試験には実務経験などの受験条件がありません。そのため、ITパスポートを取得していなくても、基本情報技術者試験への挑戦は可能です。

実際に基本情報技術者試験の資格を保有している300人以上に「基本情報技術者試験合格時、既に取得済であった資格」を調査したところ、ITパスポート試験を取得していたと回答した方は33%いました。

基本情報技術者試験では、ITパスポート試験に関する問題も出題されることがあります。基本情報技術者試験の難易度が高いと感じるのであれば、まずITパスポート試験にチャレンジしてみるのも一つの手です。しかし、ITエンジニアを目指す場合、基本情報技術者試験は登竜門とも呼ばれる資格です。会社からITパスポートの資格が要求されているなどの理由がない限り、基本情報技術者試験から挑戦してみるのがおすすめです。

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5. まとめ

基本情報技術者試験の合格率を見ると、毎回の試験で半分以上の人が落ちています。しかし、実務経験などの受験条件がない点や、試験が随時実施されている点から難易度が易しくみえる部分もあります。事実、実務経験のない大学生や社会人で合格している人も数多くいます

基本情報技術試験ではテクノロジー系の問題だけでなく、マネジメント系や経営戦略系の問題も出題されます。また、科目Bではアルゴリズム・プログラミングの問題が出ます。そのため、ITに関する幅広い知識に加えて、プログラミングの基礎を習得していなければ、基本情報技術者試験に合格することはできません。以上から、基本情報技術者試験の難易度が簡単とは言い切れません。

基本情報技術者試験に一発合格するためにも、過去問を活用するなど、きちんと対策を行いましょう。

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